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アモキシシリンの効果を説明しています

アモキシシリンの効果

アモキシシリンは、ペニシリン系の代表的な抗生物質で、細菌の細胞壁の合成を阻害する働きにより殺菌的に作用します。グラム陽性菌を中心に、細菌が原因のインフルエンザや大腸菌などの一部のグラム陽性菌に対しても有効です。咽頭炎や気管支炎、扁桃炎、中耳炎など、比較的軽い感染症の治療に利用されることも多くあります。ブドウ球菌や、肺炎球菌、大腸菌、淋菌、梅毒トレポネーマ、レンサ球菌属など、さまざまな種類の感染症に有効なので、感染症の治療に広く使われるお薬です。

ここでは、アモキシシリンがどんな感染症に対して有効なのか、アモキシシリンの作用機序、用法や容量などの使い方について詳しく解説していきたいと思います。

適応症・適応菌

・梅毒トレポネーマ(梅毒)
この菌に感染することにより発症する病気で、全身に症状が現れます。主に性交渉をきっかけに感染が広がる事が多いため、同じ感染経路をもっているクラミジアやHIV(エイズ)も同時に感染する場合もあります。戦後ペニシリンの普及によりほとんど見なくなりましたが、2011年以降、東京や大阪、名古屋、福岡の大都市やその周辺の地域を中心に患者数が急速に増加しており、今後も増加傾向にあります。

・淋菌(淋病)
淋菌に感染する事で起こる性感染症です。淋菌は暖かくて湿ったところを好むので、子宮頸管や子宮、卵巣、尿道、咽頭、口腔、肛門に感染します。淋菌は比較的弱い菌で、患者の感染部位から離れると数時間で感染力を失うので、日光や乾燥、温度の変化、消毒で簡単に死滅します。性交渉や性交類似行為以外で感染する事は稀です。

他に、ピロリ菌によるピロリ感染症、風邪や外傷による二次感染症の治療に用いられます。

作用機序

アモキシリンは細菌に対して有効に働くお薬で、主に細菌が原因の感染症の治療に用いられます。グラム陽性菌のほかに、一部のグラム陰性菌の殺菌にも効果的です。

細菌は細菌壁と呼べれる防御壁を持つタイプの細菌がありますが、このタイプは細菌壁がないと生きていけません。この細菌壁の合成に大きく関わるペニシリン結合タンパク質(PBP)と呼ばれるタンパク質の一種があります。アモキシリンは、このペニシリン結合タンパク質に作用し、細菌の細胞壁の合成を妨げる働きがあるので、殺菌的に抗菌作用を示します。

たくさんの種類の細菌に対して有効なお薬なので、呼吸器系の疾患や耳鼻咽喉系の感染症を中心に様々な感染症の治療に役立てられています。のどの痛みや発熱を伴う風邪にも処方されます。本来は、インフルエンザウイルスを含む風邪のウイルスには効果がありませんが、細菌によって引き起こされる二次感染症の治療や予防薬としても用いられる場合もあります。

風邪には効果があるのか

アモキシリンは、細菌に対して殺菌的に抗菌作用を示すお薬なので、ウイルス感染による風邪には効果がありません。風邪の約90%はウイルスが原因で引き起こされるものです。アモキシシリン(抗生物質)には、細菌を殺菌する働きがあり、感染症の治療には欠かせないお薬です。実際に風邪の治療にも広く使われていて、全国の医療機関のレセプトデータ(診療報酬明細書)では、急性気管支炎による風邪には約60%以上の患者さんに抗生物質が処方されています。

しかし、風邪の原因の約90%が細菌よりもとても小さなウイルスによって引き起こされるものなので、抗生物質は効果がありません。このことは、多くの海外の臨床実験でも確認されてる結果です。ウイルスが原因の風邪に使用してしまうと、逆に下痢や嘔吐なのどの副作用が増えてしまう可能性があります。風邪の症状で抗生物質が処方される場合は、風邪をこじらせて肺炎などの二次感染症を防ぐ目的があると考えられます。

用法・用量

症状や年齢、製薬によってそれぞれ用法・容量が異なります。症状が重い場合はお薬の量が多めになる場合があります。

・梅毒

梅毒は短期間の治療で完治できる病気ではないので、経過観察をしながら長期間かけて治療が必要な病気です。また、進行具合(病期)によっても治療の期間が異なります。

「第一期」感染後1~3週間:お薬の服用期間は2~4週間
「第二期」感染後3ヶ月~3年:お薬の服用期間は4~8週間
「第三期」感染後3年以上:お薬の服用期間は8~12週間

上記のようになるので、できるだけ早い段階で治療を開始する事が大切です。

飲み方は1回1錠を、1日に3~4回に分けて服用します。1回の服用で約4~6時間効果が持続します。

そのほかの病気の症状の場合でも、1回1錠(250㎎)を1日3~4回に分けて服用が推奨される事が多くありますが、症状の重さや年齢によっても異なるので医師の指示に従いましょう。小児の場合は1日に20~40㎎を、1日3~4回に分けて服用します。小児の場合も大人と同様、年齢や症状によって飲む量や服用の回数が異なりますが、1日合計で90㎎を超えないはいけないと定められています。

まとめ

アモキシシリンは、細菌が原因の感染症の治療に効果を発揮します。細胞壁をもつ細菌に対して、細胞壁の合成を阻害する働きがあります。細胞壁をもつ細菌はこれがないと生きていけませんので、殺菌的に作用します。

アモキシシリンは細菌にとても有効なのですが、ウイルスが原因の風邪には効果がありません。風邪の原因は約80%がウイルス性になります。アモキシリンのような抗生物質は、感染症の治療に欠かせないお薬ですが、細菌よりもとても小さなウイルスが原因になるので、抗生物質は効果が期待できません。服用すると、嘔吐や下痢などの副作用が出てしまう場合があります。

アモキシシリンは症状や年齢によって服用する量や回数や期間が異なるお薬です。自身の年齢や症状をちきんと把握する必要がありますので、服用の際には必ず医師の指示に従いましょう。